商工労働部 管外視察

商工労働部会で、静岡県に視察に行きました。

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29日(火)
●静岡県の産業成長戦略2021「フジノミクス」について
 〇説明者 産業政策課  渥美課長
 2020年にコロナが流行り、医療用品の不足やデジタル化の促進が必要と感じ、策定したのが「フジノミクス」です。地域経済を活性化するために、感染防止を進める「ヘルス(健康)」と経済振興を進める「ウエルス(富)」の一体増進を狙います。消費政策と産業政策の両面で展開する総合経済対策です。
 需要面では、財とサービスの消費を喚起し、供給面ではリーディング産業の育成を目指します。特に、需要面では「山の洲(くに)」という新たな広域経済圏を形成しました。
 山の洲とは、静岡県・山梨県・長野県・新潟県の4県で構成され、人口約870万人、GDP合計は38兆円規模の経済圏です。この発想は、20208月に中央自動車道の全線開通により移動が楽になったことからです。今は、主に農産物の交流を図っていますが今後は産業や医療でも進めていくそうです。関西広域連合との比較を問いました。

〇新産業集積課 小笠原課長
 次に、供給面でのリーディング産業の説明を受けました。進化し続ける産業イノベーションの拠点として、
   県西部  フォントバレー(光・電子技術)

          次世代自動車開発
   県中央  フーズヘルスケア(機能性表示食品)
          茶業研究センター(スマート農業)
          海洋微生物ライブラリー(静岡の海を未来につなぐ会)
   県東部  CNF研究開発センター(セルロース・ナノ・ファイバー)
          実証研究用温室
          ファルマバレー(がんゲノム)

 などこれらを含めて15の先端技術の応用・応用研究拠点(PARC)を形成しています。
 また、企業立地件数は全国1位です。2014年頃、リーマンショックや東日本大震災で工場の県外流出が進みました。内陸部分の第2東名が完成することから企業誘致を始めました。大阪の企業も来ています。しかし、工場用地が不足しているのが現状だそうです。
(まとめ)
 東京と名古屋・大阪の中間に位置し、東西の中央点となる静岡県は強いな、と思いました。自然があり、工業・農業・水産業がしっかりしています。テレワークにより、移住者も増えているそうです。また、山の洲として南北の連携網を作り今後の展開が楽しみです。
 大阪でも、リーディング企業の育成が重要と感じました。

●静岡県工業技術研究所
  説明者 田中企画調整部長
 静岡県の工業技術研究所は、県中央の静岡市の他に浜松・富士・沼津と合計4ヶ所にあります。それぞれに特色があり、浜松は光科、静岡市は金属、富士は製紙とCNF、沼津はバイオです。この特色が、リーディング企業を育てます。4ヶ所の研究所には機械・電子科があり、共通基盤として産業を支えます。地域産業として、製紙や繊維があります。これが、
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本の技術の大別(リーディング技術、共通基盤技術、地域産業技術)され、これが特色です。
 研究所内では、
○照明関係の研究・業務紹介
・ものづくり評価分析室
IOT推進ラボ、普及事業
○メタン発酵によるバイオガス供給の取組みについて説明がされました。

(まとめ)
 大阪では、府市一体となって、産業研究所と工業研究所が一つになっています。それぞれの強みを活かして、より大阪の産業のレベルアップが必要と感じました。また、関西広域連合で、域内のそれぞれの府県が持つ工業研究所が使いやすくなっています。関西全体の底上げも必要です。

進化する介護ベッドを体験
進化する介護ベッドを体験

1130日(水)
ファルマバレーセンターの取組み
説明者 小櫻常務理事
      植田センター長
      三田事務局長
 静岡県立がんセンター病院を中心とした「公益財団法人 ふじのくに医療城下町推進機構 ファルマバレーセンター」の目的や役割などを視察しました。
 静岡県は、元々医薬品や医療機器の生産金額は全国1位の12050億円です。全国シュアの103%です。がんセンターが開業して20年を迎え、平成28年に当センターが開業しました。職員は36名で、県より出捐金10億円で運営しています。センターの建物は、元県立高校です。本プロジェクトに参画し、医療機器製造業登録をした企業は45社です。大阪のサンスターが入っています。
 「世界一の健康長寿県の形成」を目指して、がんセンターからアイデアをもらって、センターが中心となって必要なものを作り、成果還元をする形です。その中で、静岡発の新薬を開発することが念願となっています。そのため、静岡県内での治験体制が構築されています。医療現場のニーズに応えるため、①橋渡し研究機器 ②課題解決型機器 ③次世代機器と3つのパターンに分かれています。コロナで活躍した、人口呼吸器エクモはここで作られています。


健康長寿・自立支援プロジェクトとして、健康寿命を伸ばす取組みを行なっています。4つの戦略を立てます。①ゲノム医療を用いて老化現象の予測。予防 ②補助器具の情報提供・開発 ③医療機器開発をし医療介入支援 ④人生100年時代の住宅整備として、3歩の住まいとした理想の住環境の提案をしています。④の住宅整備では、実際にベッドに寝ました。このように、お年寄りが住みやすい街が必要ということから、医療田園都市構想を打ち立て、静岡県の政策としています。
私からの質問は、産官学の連携(TLO)や大阪での創薬経験から創薬開発についてしました。

(まとめ)
 がんセンターとの連携体制は、非常に面白いと思います。そこでの治験ネットワーク構築は、大阪でも必要と思います。創薬が得意な大阪で、もっと産官連携を図ることが出来ると感じました。


(活動報告)

 

2011年 定数削減 109議席から88議席へ

 

      財政運営基本条例を制定

 

2012年 職員基本条例を制定

 

      教育基本条例を制定

 

      学校基本条例を制定

 

☆大阪府議会議長の時(2019年)に、議会のペーパーレス化を実施しました。大阪府議会では、年間46万枚の紙を使用していました。積み上げた高さは、マンションの16階に相当します。また、大阪府議会でのペットボトルを禁止しました。吉村知事もマイボトルを使用しています。私もマイボトル派です。

 

 議員の一般質問の回数を2回から3回に増やしました。府民の皆様方のお声を府政に届ける機会が増えました

2022年に、府議会議員の定数(89議席)を9議席削減し、79議席となりました。府議会初当選の時(2003年)には112議席ありましたので、30%以上の削減をしました。全国47都道府県中、一番スリムで筋肉質な議会です。この削減で、年間2億円の削減効果があります。