三田 勝久議員 

令和2年9月定例会一般質問  2020年12月4日

 

《三田議員 質問》 

1)港湾の一元化 

10月1日に、大阪府港湾局と大阪市港湾局が一元化されました。府市一体の象徴の一つと言えるでしょう。

これまでは、大和川をはさんで北側の大阪港は大阪市、南側の堺泉北港以南は大阪府というように、それぞれの組織が港湾管理の実務を担っており、大和川戦争とまで揶揄されていました。それが今回、大阪港湾局の発足に至り、一人の港湾局長が指揮を執ることになりました。初代・港湾局長に就任された田中局長とは、大阪港の繋がりで様々な場面で意見交換をしている間柄です。今後、田中局長は、大阪府の権限と大阪市の権限の調整など大変な役割を担われると思います。 

統合により、名古屋港に次ぐ全国 2 番目の貨物量を一つの組織で取り扱う事になりました。これから大阪港湾局が、大阪港と府営港湾の持つ強みと弱みを踏まえて、相乗効果あるいは補完を行いながらどのように取り組んでいくのか、大阪港湾局長にお尋ねします。 

 

《大阪港湾局長 答弁》

〇 大阪港湾局の発足にあたり、府市一体となった取組みの方向性と、スケールメリットを含めた効果の発揮をめざし、「大阪“みなと”ビジョン」を取りまとめた。 

○ 本ビジョンの大きな3つの柱として、まず一つ目は、港湾物流をはじめとする「モノの交流を増やす」、二つ目にクルーズやまちづくりなど「ヒトの交流により賑わう」、三つ目に組織統合やシステム面での「一元化によるコトの効率化」をあげている。 

○ 例えば、物流面では、中国・韓国・東南アジアをはじめ世界の主要港と多くの国際コンテナ航路を持つ大阪港の強みと、中古車輸出や内航定期航路が充実している府営港湾の強み、また、その裏返しが弱みでもあるため、各々の強みを活かし、弱みを相互に補完して、より強い大阪みなとに向け取組んでいく。 

○ ビジョンに掲げるヒト・モノ・コトによる取組みにより、相乗効果を発揮し、大阪・関西の経済・産業の発展をめざしてまいる。

 

 《三田議員 質問》 

大阪港湾局における国際競争力の強化について 

 今年、RCEPが締結されました。TPP、EUやアメリカとのFTAなど国際的な貿易の新たな枠組みが進み、モノの動きが加速する時代になります。この機会をしっかり捉えて、国際競争力を強化していかねばなりません。 

 例えば、堺泉北港の中古車輸出などは、大都市圏である大阪の強みで大量に中古車を集荷し、自動車専用船で輸出する事でコストダウンをビジネスモデルです。特にニュージーランドへの輸出が強いですが、他の国へも可能性があると思います。 

 国際競争力強化のためには、新たな輸出先を開拓することが必要です。私は、大阪が名古屋や横浜に次ぐ日本屈指の中古車輸出拠点としての地位を確固たるものにするために、今こそ成長戦略を描くべきと考えます。 

 そこで、大阪港湾局における中古車輸出の国際競争力強化についてどのように取り組むのか、田中港湾局長にお尋ねします。 

 

《大阪港湾局長 答弁》

〇 中古車輸出の競争力強化については、主力輸出先であるニュージーランド、タンザニア、ケニアなどの取扱量の増強に加え、新たな輸出先の開拓など、大阪港湾局として一体的な取り組みが重要と認識。  

〇 具体的には、堺泉北港における取扱量 1 位であるニュージーランドの取扱いの増加に加え、ニュージーランドの約5倍の市場規模が見込まれるオーストラリア方面への海外ポートセールスを継続的に行っている。 

〇 さらに、日本海側が有利とされるロシア方面についても、事業者と連携し、スケールメリットを活かした集荷を行うことで、コスト面での競争力強化を検討しているところ。 

〇 加えて、堺泉北港で集荷し、中国、韓国を始め東南アジアに強い大阪港のコンテナ航路を活用した提案も可能となったことを踏まえ、モンゴルを始めとした新たな中古車の輸出先の開拓に大阪港湾局として一体となって取り組む。

《三田議員 質問》 

○大阪湾の再生

 先日の我が会派の代表質問で、知事は「全国豊かな海づくり大会」を2026年に開催したいと述べました。2016年の環境農林水産委員会で「全国豊かな海づくり大会」の開催を要望していた者としては、大歓迎です。2025年に開催されるベイエリアでの万博、2

026年の海づくり大会と大阪の海が注目されます。 

府と市の港湾の統合でまとめた「大阪みなとビジョン」の中で「大阪湾の再生」がうたわれています。今までは、大阪市域の海岸は大阪市が、堺市域から岬町域の海岸は大阪府が管理をしてきました。今回組織を一つにしたことで、府域全体の海岸業務を担うことになりました。 

  大阪湾の再生については、大和川から南側は大阪府の環境農林水産部が攪拌ブロック、干潟、浅場の回復など対策をとっています。しかし、北側の大阪市の地先の大阪港は港湾区域なので取組みが行われていないのが現状です。この点は、2018年に環境農林水産委員会で指摘しています。 

大阪湾は、魚の庭と書いて「ナニワ」と読ませます。水産資源が豊かである証です。大阪湾の水産資源について、2018年4月の国会での答弁で「良好な漁場環境を保全し、回復する事が重要」とされています。 

大阪湾には大阪市も大阪府も関係ありません。ソフト面、ハード面ともに大阪市と調整を図って、淀川も含めた大阪湾の再生と漁業の生産性向上に向けて取り組むべきではないでしょうか。環境農林水産部長にお尋ねします。 

 

《環境農林水産部長 答弁》

〇 「豊かな大阪湾」を実現するためには、栄養塩の循環や、多様な生物を育む場の創出などに取り組むことが重要と認識。 

 ○ 大阪湾の湾奥部は人工護岸で囲われ、汚濁物質が滞留しやすく、生物の生息に適した場所が少ないため、昨年度から、泉大津旧港などで護岸や海底にブロック等を設置し、人工藻場の創出技術等を検証する「豊かな大阪湾」環境改善モデル事業を実施している。  

○ 今後、本事業の成果の普及や新たな実証にあたっては、大阪市の港湾区域での実施可能性を検討するなど、大阪港湾局と連携して、大阪湾再生に向けた環境の保全や創出と、水産資源の回復に一層取り組んでまいる。 

 

 《三田議員 質問》 

2)海洋プラスチックのゴミ回収問題について 

昨年のG20サミットにおいて、「大阪ブルーオーシャン・ビジョン」が全世界で共有され、2050年までに海洋のプラスチックの新たな流入をゼロにすることを目指しました。国内においては、その一端としてレジ袋の有料化やマイボトルの取り組みが進められています。 

  昨年、環境農林水産委員会で北海道に視察に行き、自然分解するプラスチックの説明を受けました。これからの時代、自然界で分解するプラスチックが主流となっていくことでしょう。   しかし、すでに海底には大量のプラスチックゴミが堆積し、海上には浮遊ゴミが漂っています。それらのゴミがマイクロプラスチック化し、魚介類やそれを食べる人間に影響がでることも問題視されています。 

2018年に関西広域連合が調査をし、大阪湾全体で少なくともレジ袋が約 300 万枚、ビニール片が約610万枚存在すると発表しました。着実にこのゴミの回収と処理を図らねばなりません。海底ゴミは、漁業者の底引き網にかかった分が処理されます。浮遊ゴミは、専門の船で処理をしますが、大阪府が 1隻、大阪市が1隻、神戸市に1隻、国交省で1隻の計4隻と漁業者の船で回収し処理をします。この体制で、本当に海底ゴミと浮遊ゴミを処理できるのか疑問です。   また、海にあるゴミを回収しても、それ以上にゴミが流入すればきりがありません。つまり、陸上から川を通じて海に流れ込むゴミを無くすことが重要です。同時に、プラスチックを使う消費者の意識が重要です。ヨーロッパでは、子供の頃からゴミ分別の必要性、ポイ捨ての禁止などを教えます。「混ぜればゴミ、分ければ資源」を徹底して、消費者一人一人の意識改革が必要です。 

堆積する、また浮遊するプラスチックゴミの回収と処理の対策をどのように取り組むのかお尋ねします。また、子供のころからの分別ゴミの必要性などの教育はどうなっているのか、合わせて環境農林水産部長にお尋ねします。 

 

《環境農林水産部長 答弁》 

○ 大阪湾における海底ごみや漂流ごみについては、引き続き国の補助制度等を利用して、漁業者や港湾管理者の協力のもと、着実に回収していく。加えて、3Rの更なる徹底や、市町村・事業者と連携して陸域からの流出・飛散防止対策に取り組む。 

○ また、プラスチック問題に関する教育については、小学生向けの冊子や、大阪の環境課題について考える高校生向けの動画教材を作成し、それぞれ授業で積極的に活用頂くよう依頼してきたところ。今後も教育庁や市町村教育委員会と連携し、将来を担う世代への環境教育を充実させていく。

○ そのため、今年度中に「大阪府海岸漂着物等対策推進地域計画」を改定し、流入するプラスチックごみを2030年度までに半減させることを目標に掲げ、これらの対策にしっかり取り組んでまいる。 

 

 《三田議員 質問》 

3)夢洲の活性化 2025年大阪・関西万博の事業計画を定めた日本政府の「登録申請書」を審査・承認する博覧会国際事務局(BIE)の総会が、12月1日に開かれました。承認後、各国に万博参加を呼びかける「招請活動」が始まります。万博は、コロナの影響を受けて、進捗状況は約半年程度の遅れがあると聞きます。ドバイ万博の会期変更による影響も避けられず、準備にかけられる時間は限られています。しかし、何としても大阪での万博を成功させ、未来社会を創っていきたいと思います。 また、IRもMGMとオリックス連合が手を挙げてはくれましたが、同様に遅れが出てきています。 2つの事業は、大阪経済の活性化に重要です。しっかりと進め、大阪の成長に繋げる必要があります。コロナ禍で大変な時代ですが、様々な問題点を解決せねばなりません。 

○夢洲の渋滞問題    その問題点の一つが夢洲とその周辺地域、つまり此花区、住之江区、そしてわが街・港区を通過する工事車両の渋滞問題です。現在、夢洲では、万博会場の整備に先立ち、30ヘクタールの埋め立て工事が進められています。 今後、万博会場や会場周辺のインフラ整備工事などが本格化していきますが、これに伴い工事車両も増え、夢洲やその周辺エリアでの渋滞が懸念されます。建設工事に伴う車両通行は3つのルートが考えられます。今年8月の大阪市の調査報告によると、昨年の車両通行状況台数は、一日あたり此花区を通過する北ルートが101台、港区を通過する中央ルートが104台、住之江区を通過する南ルートで64台でした。当初の予想値より少ない数字でしたが、コロナ禍という事情も影響したのでしょう。 

また、夢洲にはコンテナヤードがあり、コンテナ車両の路上渋滞が常態化し問題となっています。 周辺への影響を極力抑えながら工事を進めるためには、事業者間で十分に調整を行う必要があります。また、2017年の私の一般質問で、埋立て工事の土砂は海上輸送を主軸に考えるとの答弁をいただきました。海上輸送の活用は、工事車両の数を減らす有効な手段と考えます。そこで、万博の工事が本格化していくことに伴い、今後増えていくと思われる工事車両について、海上輸送の活用や、工事間の調整にどのように取り組んでいくのか、政策企画部長にお尋ねします。 

 

《政策企画部長 答弁》 

○ 夢洲において、今後本格化する万博に向けた工事などについては、周辺道路を通過する工事車両を抑制するため、資材は原則として海上運搬によることとしている。 

○ また、海上運搬ができない場合であっても、ICTを活用した運行管理システムの導入により、時間帯やルートを適切に配分することで、渋滞を回避するなどの調整を行うことを予定している。 

○ この方針については、国、大阪府・市、博覧会協会で構成する連絡会議などで共有しており、本府としても、周辺の交通環境に十分配慮した工事が行われるよう、しっかり取り組んでいく。 

 

 《三田議員 質問》 

万博やIRに関連し、鉄道会社での取り組みも始まりました。JR西日本は、中期経営計画 2022 年の見直し、新大阪からうめきた側の大阪駅を通過して、USJ のある桜島までの直通列車が運行します。開業予定は3年後の2023年です。これにより、新大阪駅、西九条駅、弁天町駅の乗換利便性が向上し、夢洲へのアクセスが変わってきます。今まで、わが街・港区から遠いと言われていた新大阪駅がぐっと近くなります。楽しみにしたいものです。 

○夢洲の安全対策  次に、夢洲の安全対策についてお伺いします。 

2025年に開催される万博では、一般来場者に加え、外国の要人も多数出席するイベントとなるため、警備の観点からも安全対策が重要と考えます。 

また、IRが実現した場合には、「大阪IR基本構想」によると、国内外から年間1500万人が訪れることが想定されており、犯罪の増加等治安の悪化が懸念されています。犯罪の発生を防ぎ、来訪者の安全を守るためには、IR区域内外における治安対策が必要です。 

万博開催時の安全対策と、IRが実現した場合の治安対策について、それぞれの取り組みを、知事にお伺いします。 

 

《知事 答弁》 

○ 万博開催時における安全対策については、現在、博覧会協会とともに、災害発生時の緊急対応や会場内の警備体制などの検討を進めており、本府としても、昨年開催された世界最高峰の国際会議である G20 の経験などを活かし、万全を期すよう取組んでいく。 

 ○ IRが実現した場合の治安対策については、夢洲における警察署の設置や警察官の増員等の警察力の強化について検討を進めるとともに、IR区域内においては、IR事業者に対して暴力団の排除等万全の防犯・警備体制を整備するよう求めていく。 

○ 2025 年の万博や開業後のIRに来られた方々が、安心して楽しんでいただけるよう、安全対策や治安対策にしっかりと取組んでいく。 

 

 《三田議員 質問》 

○水上警察署の移転立替えについて 

現在、夢洲地区は此花警察署が管轄しています。ここで、事件や事故があった場合には、遠く離れたUSJの近くにある交番の警察官が対応します。 

一方、わが街・港区築港に所在する水上警察署は、大阪府警察の警察署の中で2番目に古く、かなり老朽化した警察署です。 

 近い将来に建替え計画があるのであれば、IRの誘致決定に合わせて、現地建替えではなく、夢洲に移転して、新たに夢洲地区とベイエリアを管轄とした治安対策と、麻薬や薬物の密輸入などの取締り対策をする「大阪湾岸警察署」として設置すれば、必要な予算や人員の合理化・効率化にもつながるのではないかと考えております。 

  先程、知事は夢洲における警察署の設置や警察官の増員等の警察力の強化について検討を進めると答弁されました。 

大阪府警察においては、IR誘致後の夢洲における治安対策の一つである警察署の設置に関連して、水上警察署の移転建替えをどのように考えているのか、警察本部長にお伺いします。 

 

《警察本部長 答弁》

〇 現在の大阪水上警察署については、昭和39年に建築され、府下の海域や港区の一部を管轄しており、現在、夢洲を管轄する此花警察署に隣接しています。 

〇 大阪府・市が策定した「大阪IR基本構想」におきまして、知事から答弁がありましたように、治安・地域風俗環境対策について示されており、関係する警察体制の在り方を含め、引き続き、府・市と連携していくこととしています。 

 

 《三田議員 質問》 

4)要介護の認定処理期間の短縮と暫定ケアプラン運用の周知 

1997年に介護保険法が成立し、2000年から制度がスタートし、今年で20年という節目を迎えました。厚生労働省の発表では、現在、全国では約 659 万人の方が要介護認定を受けており、介護を必要とする高齢者を支える制度として定着しています。 

高齢者の方が介護保険サービスを利用しようとする場合は、市町村の要介護認定を受ける必要があります。介護保険法では、特別な理由がある場合には、理由などを本人に通知し、認定期間が延期できますが、申請から原則30日以内に市町村は認定の結果を通知することとなっています。しかし、現在、この認定期間については、全国的にも30日を超えているのが現状です。例えば、新聞報道ですが、大阪市の昨年の4月から6月の判定業務では53,5日と大幅に遅れていました。 

認定に要する期間が長期化する原因の一つとして、市町村が認定調査員を十分に確保できない事が考えられます。末期がんの方等、状態が急変する場合には、認定結果を待つ間に亡くなるケースもあると聞きます。 

このように、末期がん等、心身の状況が急激に悪化する可能性があり迅速な対応が必要な方へは、即日の認定調査と同時に、保険者の判断で、認定結果が出る前の段階であっても暫定ケアプランを作成して、介護サービスの提供を開始することができます。 

長期化している認定期間の短縮や、認定結果が出るまでの間でも迅速な対応が必要と判断される場合の暫定ケアプランの運用等、市町村の認定適正化に向け、府としても取り組みを進めるべきと考えますが、福祉部長にお伺いします。 

 

《福祉部長 答弁》 

○ 府内市町村の要介護認定期間は30日を超えており、府として保険者である市町村の認定適正化の取組みを支援していくことは必要と認識。 

○ 具体的には、要介護認定期間の短縮に向け、担当職員研修を通じて各市町村の好事例を情報提供するほか、迅速な要介護認定の実施と暫定ケアプランの運用について、介護認定審査会委員研修等で周知を図っているところ。  

○ 今後とも、市町村における適切な要介護認定の実施に向け、市町村支援に取り組んでいく。